泌尿器科/乳腺科 Oji CLINIC 兵庫県明石 王子クリニック
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Urology  Mammary gland department
乳がん/乳癌について
[2016年7月更新]
乳がんについて[乳腺科]
現在、乳がんは他の先進国同様、日本においても女性のがんの1位(部位別癌罹患率1位)で、年間90000人以上(2015年統計)の女性が罹患されています。また1990年代には40人に1人でしたが現在では12人に1人の割合で罹患するといわれており(2011年がん情報サービス統計)、今後も増加すると考えられています。一方、死亡率に関しては大腸、肺、胃、膵臓に次ぐ4位(2015年統計)となっており、死亡率が必ずしも高いわけではありません。かかりやすい年齢は40歳台後半から60歳代ですが、30代の方も増加しています。30歳を過ぎたら定期的な乳癌検診、月に1回の自己検診をおすすめ致します。

●乳がん検診について
当院は乳がんの治療はもちろんですが、検診にも力を入れております。2015年より乳腺専門医の女性医師が常勤しており週5日診察をしております。マンモグラフィ撮影も女性の検診マンモグラフィ撮影認定技師ですので安心して受けていただけます。 明石市の無料クーポン、助成券もご使用いただけます。当院の乳腺科医師は2名とも乳腺専門医ですので、超音波検査も常時受けていただけます。

●乳がんの発生リスク
罹患率1位の乳がんですが、その発症の原因に女性ホルモンであるエストロゲンが関与しています。エストロゲンの分泌期間が長いほどリスクが高まることが知られており、他にも関連する因子があります。

《エストロゲン分泌期間が長い》
初潮が早い、閉経が遅い。 初産が遅い。(30歳以上)、出産歴がない、もしくは少ない。 授乳経験がない。 閉経後のホルモン補充療法(更年期治療)を受けたことがある又は受けている。

《その他の関連因子》
乳がんの家族歴  閉経後の肥満  喫煙、アルコール多飲 など

●乳がんの症状、発生部位、病期(ステージ)
【症状】
@ しこり

痛みを伴わない、硬くて動きの悪いしこりが特徴です。痛みを伴わない左右差のある硬さも要注意です。
A 乳頭からの分泌物
30-40歳代の乳汁のような分泌物は乳腺症の可能性が高く、片方の乳頭のみからの褐色〜血性の分泌物は要注意です。
B その他
見た目では皮膚のへこみ、引きつれ、乳頭のびらん症状も発見のきっかけになることがあります。

【発生部位】
乳がんの発生部位は外側の脇にかけての領域が最も乳腺が分厚く、乳がんの多い部位です。(下図)

乳がんのできやすいところ
出典:乳がんのおはなし 第5版
監修 河野範男(王子クリニック副院長)


【病期(ステージ)】
ステージ1:
しこりの大きさが2cm以下でわきの下にリンパ節転移のないもの。

ステージ2:
しこりの大きさが2cm以下でわきのリンパ節に転移がある、もしくはしこりの大きさが2〜5cmでわきの下のリンパ節転移の有無を問わない。

ステージ3:
局所進行乳がんと呼ばれます。しこりの大きさは問わず、わきの下に転移が多数ある場合、炎症性乳がん、皮膚や胸壁(筋肉)まで病変が及んでいる場合、胸骨の傍にあるリンパ節にまで転移がある場合、鎖骨上下のリンパ節まで転移がある場合。

ステージ4:
全身転移のみられる場合。

●乳がんの検査
市民検診や一般検診では触診、マンモグラフィが一般的です。そのどちらかで要精査となった場合、専門施設で超音波検査を受けます。高濃度乳腺(若い方など乳腺の密度が高い場合)ではマンモグラフィでの乳がん検出率が落ちますので、超音波検査の併用が望ましく、当院では通常の検診でも超音波検査を併用しております。超音波検査で腫瘍が見つかった場合は、精密検査を行います。
@ 細胞診
採血と同じ太さの針で細胞を吸い取り検査します。良悪の鑑別はつきますが、組織(細胞同士が本来の構造を保っている塊)ではなく、ばらばらの細胞での評価のため悪性度の低い癌の場合、良性と出る場合もあります。また採取された細胞数が少ない場合、適切に評価が出来ないこともあります。
A 組織診(針生検)
局所麻酔薬を使用し、すこし太い針を用いて組織を採取します。乳がんの詳しいタイプも評価可能で、その後の治療方針の決定に役立ちます。
B 画像検査
乳がんの診断がついた段階で、全身検査としてCT、骨シンチ、PET検査などで全身転移の有無を評価します。また乳房内のしこりの拡がりを詳しく評価するためMRI検査を行います。

●乳がんの治療
当院では日本乳癌学会のガイドラインに沿い、手術、術前術後の薬物治療、転移再発治療、終末期の緩和治療まで広く行っております。

@ 手術療法
しこりの大きさやリンパ節転移の有無で術式を決定します。近年、ステージ2以上の乳がんではしこりを小さくするために術前治療が行われることが多いため、乳房を温存できる場合も多くなりました。乳がんの手術は乳房と腋窩リンパ節を切除します。手術方法として、乳房は温存術と全摘術、腋窩リンパ節は生検術と郭清術に分かれます。

乳房温存術:画像検査で分かるしこりの周囲に1.5〜2cm程度の乳腺をつけ切除する。その後残存した乳腺をよせて縫縮して、形を整えます。切除する大きさ、もともとの患者さんの乳房の大きさで整容性(見た目の形の美しさ)は変わってきます。

乳房全摘術:しこりの大きさ、乳頭部への浸潤がある場合、しこりが複数ある場合、年齢などを考慮した上で全摘術を選択します。術後の乳房再建にご興味がある方は主治医にご相談下さい。

腋窩センチネルリンパ節生検術:乳房からのリンパ流が最初に流れつくリンパ節をセンチネルリンパ節と言います。センチネルリンパ節に転移がないことが確認できれば、その先のリンパ節には転移がないという考えをもとに行われます。(下図)郭清術とは異なり、最小限の手術で済むため腕のむくみ(リンパ浮腫)などの術後の後遺症がほとんどありません。

センチネルリンパ節 原発巣

腋窩郭清術:手術前にリンパ節転移が明らかな場合、腋窩リンパ節を一定の範囲切除する郭清術を行います。生検術と比較しリンパ節の切除は多くなるため、術後リンパ浮腫が約20%程度発生するといわれています。セルフマッサージや弾性スリーブで早期に対応することで悪化を防ぐことが出来ますので、医師や看護師にご相談ください。

A 薬物療法
乳がんの薬物療法の歴史は古く、多くの薬が開発されています。また乳がんは薬物治療がよく効くがんとしても知られています。最近は手術に先立って薬物療法を行うことも多くなっており、しこりが2cm以上、腋窩リンパ節転移、また腫瘍の悪性度が高い場合などでは、術前化学療法によって、しこりを小さくして乳房を全摘出せずに温存する、目に見えない微小リンパ節転移やがんの浸潤を消失させ取り残しを防ぐ、再発した際にどの抗がん剤を選ぶかという基準に術前化学療法の効果を参考にするなどというメリットがあります。 副作用対策のお薬も進歩し、脱毛や倦怠感など副作用はありますが、仕事や育児、日常生活を送りながら治療を継続することが出来ます。 また近年、乳がん細胞の遺伝子の解析が進み、従来のステージ分類(しこりの大きさ、リンパ節転移など)に加えて、遺伝子発現パターン(サブタイプ)を考慮に入れて、個々に最適な治療を選択する、治療の個別化(個別化治療)が行われています。乳がん細胞は女性ホルモンや細胞増殖因子によって増殖しますが、これらのホルモンや増殖因子は乳がん細胞に結合するための鍵穴(レセプター)が必要でこの鍵穴が多いほど乳がんの増殖する力が強くなります。女性ホルモンのエストロゲン(E)、プロゲステロン(Pg)に対する鍵穴はそれぞれエストロゲンレセプター(ER)、プロゲステロンレセプター(PgR)(通常はまとめてERとされる)、上皮成長因子(EGF)に対する鍵穴はHER2と呼ばれます。これらの鍵穴の有無に加えて、細胞の増殖能を表すKi-67という細胞増殖マーカーの多少を組み合わせてパターン化したものをサブタイプといい、下図のように分類し、それぞれに最適な治療を選択することができます。ERは乳がんの過半数が陽性、HER2は20-30%が陽性を示すと言われています。

表01
* ER(エストロゲンレセプター)、PgR(プロゲステロンレセプター)
* Ki-67とは細胞の増殖能を示すマーカー、Luminalタイプの分類に加味される


化学療法(抗がん剤、分子標的療法)
抗がん剤はがん細胞のような分裂能力の高い細胞に効果を発揮しますが、体内の分裂能力の高い細胞(骨髄、毛嚢など)にも働くため骨髄抑制や脱毛などの副作用がみられます。また近年、がん細胞に標的をしぼって作用する分子標的薬も開発され、副作用が比較的少なく、抗がん剤と併用することで大きな効果を期待できます。代表的な薬剤はHER2タイプに使用されるハーセプチンです。 その他、骨転移に対しては、骨粗しょう症治療にも用いられるビスフォスフォネート製剤が使用されます。

内分泌療法(ホルモン療法)
乳がんの半数以上(60〜70%程度)は女性ホルモン(エストロゲン)に反応して増殖します。内分泌療法は(1)エストロゲンと乳がん細胞に存在する鍵穴との結合を抑える、(2)エストロゲンの産生を抑える、などの方法があります。再発リスクの違いによって5年間あるいは10年間内服する場合があります。

A 放射線療法
乳房温存術を行った場合は温存乳房に、また全摘術でもリンパ節転移があった場合は全摘後の胸壁と腋窩、鎖骨上リンパ節領域に放射線治療を行うことで局所再発のリスクを減らすことが可能になります。術後の抗癌剤治療がない場合、術後約1か月程度で放射線治療に進みます。治療は週5日(月-金)、5〜6週間かかります。


以上のように乳がんの治療法は多岐にわたり、がんの進行度(ステージ)、細胞の悪性度、サブタイプなどにより手術、薬物療法、放射線治療をどのように、どういう順番で組み合わせるか、また、分子標的薬など新しい薬剤もどんどん開発されており、これらをどのように組み合わせていくかなど、日々、変化、進歩しております。これら複雑な治療選択には高度な専門知識、技術が要求されており、我々も最新、最良の医療をお届けできるように学会活動、情報交換などを通じ、鋭意努力している次第です。

乳がんはこれからも増加の一途をたどると言われておりますが、我が国の乳がん検診率は未だ先進国の最低レベルです。どのがんでも早期発見、早期治療が重要であることは言うまでもありませんが、特に乳がんは自己検診ができるがんですので是非、定期的に自己検診をして頂き、少しでもおかしいと思われれば専門医での診察をお勧め致します。

なお乳がんに関するご質問があればお気軽にお問合せ下さい。

 
兵庫県明石市
王子クリニック・乳腺科
河野 範男
(日本乳癌学会乳腺専門医・前 東京医科大学乳腺科教授)
萩原 里香
(日本乳癌学会乳腺専門医)


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