泌尿器科
Urology
腹腔鏡下手術について
laparoscopic surgery
腹腔鏡手術とは
腹腔鏡手術は、従来の大きく腹部を切開する開腹手術に替わり、患者様への負担が少ない低侵襲手術として広く普及しています。
泌尿器科領域においても、腎臓癌、腎盂癌・尿管癌、副腎腫瘍、腎盂尿管移行部狭窄に伴う水腎症などに対する腹腔鏡手術が行われております。
当院では、2016年度より最新鋭の3D腹腔鏡手術システムを導入し、日本泌尿器科学会および日本泌尿器内視鏡学会による技術認定を受けた泌尿器腹腔鏡技術認定医が手術を行っております。
3D腹腔鏡手術システムでは拡大された立体的な映像の観察を行うことで、従来の平面的な2D腹腔鏡手術システムでは困難であった対象臓器の奥行き感の把握が容易となり、より正確で安全な腹腔鏡手術が可能となりました。
腹腔鏡手術の方法
- 従来の開腹手術のように大きく腹部を切開して行う手術とは異なり、皮膚に1-2cm程度の小さな穴を数箇所あけ、腹腔内に炭酸ガスを注入することにより手術操作を行うスペースを確保しながら腹腔鏡用手術器械を用いて手術を行います。
- 切開した小さな傷からカメラを挿入し、拡大した画像を大きなモニターに映しながら細い手術器械を用いて、臓器の摘出や再建などを行います。
- 最終的には臓器を体外へ摘出するために、摘出する臓器の大きさに合った切開創が必要になります。
腎臓、副腎など泌尿器科で手術を行う臓器は、後腹膜腔と呼ばれる背中側の空間にあります。
おなか側から手術を行う腹腔鏡下手術と、背中側から手術を行う後腹膜鏡下手術があり、それぞれの患者様の状況に応じた手術方法を選択します。
腹腔鏡下手術の長所と短所
長 所
- カメラによる拡大視野で手術することにより精密な手術操作が可能。
- 出血量が少ない。
- 術後の腸管の動きが良いため早期に食事を開始できる。
- 傷が小さいため術後の痛みが少なく、早期に回復、社会復帰しやすい。
- 傷が小さいため美容面で優れている。
短 所
- 適応疾患が限られており、すべての手術に対応できるわけではない。
- 高度な癒着や出血量の多い場合には開腹手術への移行が必要。
対象疾患と適応術式
- 腎臓癌に対する腹腔鏡下腎部分切除術、腹腔鏡下根治的腎摘除術
- 腎盂癌・尿管癌に対する腹腔鏡下腎尿管全摘除術
- 副腎腫瘍に対する腹腔鏡下副腎摘除術
- 腎盂尿管移行部狭窄症に伴う水腎症に対する腹腔鏡下腎盂形成術
- ソケイヘルニアに対する腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術
泌尿器科のその他の疾患
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- 前立腺がん(癌)について
- prostate cancer
前立腺は膀胱直下で尿道を取り囲むように位置し、精液の一部を作る男性固有のクルミ程度の大きさの臓器です。前立腺がんは2018年には男性のがんの罹患率第1位になりました。女性の乳がんとならび最も警戒しなければならないがんと考えられます。
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- 前立腺肥大症について
- benign prostatic hypertrophy
前立腺は男性特有の臓器で精液の一部を作り、骨盤の底にあたる部分で膀胱に続く尿道を取り巻くように位置するクルミ程度の大きさの臓器です。この前立腺が肥大し尿道や膀胱が圧迫されるために、尿が出にくい、回数が多い等の排尿障害を引き起こす病気が前立腺肥大症です。
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- 尿路結石症について
- kidney stone・urolithiasis
尿路結石症(腎結石・尿管結石)は尿の通り道にできた石により様々な症状が出現する病気です。主な自覚症状としては突然の腰痛・側腹部痛・下腹部痛・血尿などです。泌尿器科の救急疾患としては最も頻度が高く、若年者から高齢者まで性別を問わず幅広く罹患する病気です。また、再発率が高く、何度も繰り返すのも特徴のひとつです。
尿路結石症を疑う自覚症状があった場合には早めの泌尿器科受診をお勧めいたします。 -
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- 過活動膀胱・尿失禁について
- overactive bladder / urinary incontinence
過活動膀胱は蓄尿(尿を溜める)という膀胱機能の障害です。
膀胱が過敏になっていて過剰に反応して尿を出そうとするため、尿を溜めて我慢することが難しくなります。若い方から年配の方まであり、年齢と共に多くなってきます。 男女共に起こりますが、50歳以上では男性にやや多くなってきます。 -